キャリアカウンセリングとは
キャリアカウンセリングとは、その人の能力や知識、興味といったさまざまな特性から、その人が望むキャリアを 目指すヒントを一緒に探して、転職を支援する専門的な手法です。 就職や転職、再就職や出産、育児、キャリアアップやキャリアチェンジなどの過程で様々な課題を抱える相談者 に対して、キャリアカウンセリングを行います。 その中で「心理的援助」と「職業人生指導(援助)」を行い、望ましい職業、自分らしく生き生きと働ける仕事を 見つけてもらうために総合的な支援をしていくのです。 近年、職場や仕事に対する不満を抱えて「キャリアのミスマッチ」から離職する人が増加傾向にあり、 キャリアコンサルタントは注目されています。
必要性
- 4つの社会環境の変化による需要拡大
- 戦後、学校から職業への移行を支援する「職業指導」や「進路指導」という概念しかなかった日本において、近年、人の職業生活さらには家庭生活も含めたキャリアコンサルティングが重要視されている理由に4つの社会変動が関係していると言われています。
経済発展に伴い、経済活動の比重が第一次産業から第二次産業、第三次産業へと移行し、経済のグローバル化により、国籍問わず適材適所の人材活用が可能となりつつあります。
また、インターネットの普及やITの急速な革新によって、ヒトモノコトの価値や考え方が短期的に変わっていく不確実性が高い現状があります。
1980年代以降、企業は「選択と集中」を実施し、戦略的な経営を行うようになってきました。
その中で、雇用においては、少子高齢化も背景に、外国人、女性、高齢者、障害者や非正規従業員など多様な従業員に対して、それぞれの価値観を認め合い、配慮することが求められています。しかしながら、まだまだダイバーシティ(多様性)が適切に実施されているとは言い難い現状があり、組織と従業員双方対する支援の役割がキャリアコンサルタントに求められてきています。
日本は世界にも類を見ないほどのスピードで「少子高齢化」が進展していることです。
人口構造の大きな変化や人口の減少は、性や年齢、さらには国籍の違い、障害の有無にかかわらずに、各自が職業能力を高め、意欲を発揮できる状況をつくることを求めるようになりました。
女性の就業においては、ジェンダー視点でのキャリア形成について支援する必要性が発生してきました。
さらに、超高齢社会を背景に、定年制度の変更などが義務付けられ、高齢者に対する待遇の変化が発生し、政策と企業の対応、高齢者の心理などに不具合が生まれることで、高齢者の就業においては、待遇や賃金の問題など、働く上でのサポートが必要なケースが発生してきました。
そして、健康寿命が世界一の長寿社会を迎えている日本では、「人生100年時代」と言われ、長い人生を通して家族を支えて生活していく中で、キャリアも変化してきています。
また、終身雇用制の崩壊、成果主義賃金、就職氷河期などのキーワードで表される就業者をめぐるさまざまな格差問題も、キャリアについて考えることを支援する役割が求められています。
社会と組織の環境変化によって、総体的に雇用環境が変化してきました。
産業構造が変化し、サービス業をはじめとする第三次産業の比重が高まってくるにつれ転職も増え、「終身雇用」「年功序列」「企業別労働組合」が崩壊し雇用構造が変化したことで、1つの企業内で通用する能力から企業を超えても通用する能力が試されるようになってきたと言われています。
企業においては、雇用形態や労働時間制度も多様化、弾力化し、労働者個人にとっては、働くことに対する意識や職業観も変化しており、これらを認識した上で、それぞれに対するキャリア支援のあり方が求められてきたと言えます。
日本の経済発展を考える上で、今後もより重要な
役割を担ってくと思われるのが人材です。
その基本的なところは、企業の枠を超え、社会
として激しい変化に対応できる、そしてまた
それをリードしていく「人づくり」を進め、
「個人が輝ける社会」を実現するためのキャリア
支援です。2000年以降、個人の仕事に対する
考え方にも変化が現れてきています。
「ワークライフバランスに代表される、仕事だけ
でなく、余暇、人生の楽しみも重視する考え方や、
「自分らしく」を望む生き方に合わせた職業選択を
する人も年々増えてきており、価値観は多様化
しています。このような社会、個人の変化により、
日本では様々な働き方が可能になってきました。
しかし、その一方で1つの企業・組織における継続的・
安定的な「キャリア」を築くことは、好まれなく
なってきました。自らの価値観・職業観・人生観に
基づいて、生きていく人が事実増加しています。
- 幸福に対する価値観の変化
- 近年、欧州、北米、オセアニア、アジアの国々で「幸福度」という指標の作成が進んでいます。ブータンの前国王が国民総生産(GNP)に代わる価値観として提唱した「国民総幸福(Gross National Happiness:GNH)」が有名ですが、ほかにも各国で幸福度指標や幸福度指数というものが作成されています。
そもそも国の役割とはいったい何かといえば、元来、「国民が幸せになるような社会をつくること」であり、そのための政策を実施するのが国の役割でした。
しかし経済成長という豊かさの陰に、長年人間観、価値観などという心理的なものが忘れられてきたのです。
近年、経済的豊かさと人間の幸福は直結するものではないと考える人が増えてきており、高所得の仕事に就けば誰もが幸福になれるとは一概にいうことなくなりつつあります。
- これから求められるキャリアカウンセリング
- こうした社会変化が起こっている状況の中で、キャリアコンサルタントは相談者個々人の考え方、適性、特性などを聴き、どのような仕事に就けば幸福になれるのか、あるいは働き方をどのように変えれば幸福になれるのかなどについてアドバイスしていくことが求められています。
その際、キャリアコンサルタントが心掛けているのは、人と社会や環境とのつながりです。
社会や環境とは、職場や家族、さらにはそこでともに働く上司や同僚、ともに暮らす家族などを含みます。
つまり、人はこうした社会や環境とのつながりを肯定的に感じるときに豊かさや幸福感を得ることができ、仕事や人生にやりがいや生きがいを持つことができるのです。
したがって、キャリアコンサルタントの役割として、相談者が社会や環境とのつながりを実感するための支援をすることです。
また、企業に対しても、社員が幸福を感じたり、やる気を出したりするためには給与の高さや労働時間の短さだけでなくプロセスが重要であることをキャリアコンサルタントが専門的にアドバイスすることが求められてきます。そうすることで、企業・経済・社会は成長し、人は幸福度を高めていくことができるのです。
就職
履歴書や職務経歴書が上手く書けない
面接の準備を手伝って欲しい
転職
転職について客観的中立的に相談したい
異動(転勤)
キャリアアップできるチャンスに意見を聞きたい
退職・独立
今独立することが良いのか相談したい
ワークライフバランス
自分の仕事スタイルを考えたい
働き方
もっと仕事だけではない生きがいが欲しい
人間関係
職場の人間関係について誰にも相談できない
結婚
結婚してからも仕事と家庭を両立していきたい
出産・育児
育休後も第一線で活躍したい
介護
自分の時間が無くて悩む
障害者雇用
自分らしく働いていたい
自己分析
今の自分にどんな仕事があっているのか相談したい